さて、密教とはいったいなんなのでしょうか?
真理そのものの現れであるとされる大日如来が説いた秘密の教えを密教といいます。
秘密の教えとは、教義や作法に神秘的な要素が多く、行を積んだ者にのみ公開される部分が多いことからそのようによばれているようです。
空海の教えで代表的なのが「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」です。これは修行を行うことによって悟りを開き、人が生きたまま仏になるという思想です。
そして、密教の教えに欠かせない「曼荼羅」は、宇宙の本質や真理を絵図に表したもので、大日経と金剛頂経に基づく「胎蔵界」と「金剛界」の曼荼羅を空海が唐から持ち帰ったとされます。
また、空海は東寺の講堂に大日如来像や菩薩像など二十一体を配置し、立体曼荼羅の世界を創り上げました。これは現在でも拝観することができるようです。
密教には代表的な宗派として 「真言宗」と 「天台宗」がありますが、教えの考え方はほぼ同じで、
生まれた身をもったまま煩悩を脱し、悟りを開くこと。すなわち ブッダ「目覚めた者」を目指すのです。
「天台宗」と「真言宗」
桓武天皇の時代、新しい仏教の教えを学びに唐(中国)に渡ったのが、近江国(滋賀県)の最澄と、讃岐国(香川県)の空海2人の僧侶です。
「天台宗」開祖 近江国(滋賀県) 最澄(さいちょう)伝教大師
根本道場: 京都 東北にある比叡山 延暦寺
別名: 台密(たいみつ)
大師: 天台大師は 杭州の南の 天台山 智顗(ちぎ)という説がある。
経典: 法華経(妙法蓮華経)
最澄が 空海に弟子入りし学んだと云う説もあることから、「天台宗」は 法華経や真言密教・禅、戒律を融合した教えとも考えられます。
「真言宗」開祖 讃岐国(香川県)の空海(くうかい)弘法大師
根本道場: 京都に 東寺(とうじ)、和歌山県 高野山 瞑想道場 金剛峯寺。
別名: 東密(とうみつ)、真言密教(しんごんみっきょう)
大師: 弘法大師 空海(お大師さま)
経典:大日経(だいにちきょう)、金剛頂経(こんごうちょうぎょう)
空海は伝統仏教の教えの全体像を「十住心論」で表しましたとも云われています。これは「般若心経」「法華経」「華厳経」などの伝統仏教の教えを、人間の心の10段階と相関する形で示し、その第十段階を真言密教の境地としたものです。
人は昔も今も 自他を区別したがり、その為 様々な思想団体が生まれました。
今回この記事を書くにあたり、顕教、密教。また、密教と呼ばれる 代表的な二つの宗派、天台宗を紐解くにあたり、個々の思想が関与し、宗派が分裂していく姿をみました。それは キリスト教、神道、ユダヤ教、イスラム教などにも等しく見えることで、思想の数だけ宗教の数があり、そのことが地球全土で多くの混乱を招いているように思いました。
空海が持ち帰った「宇宙の本質や真理」は、全ては同じ魂。「全ては ワンネス」の悟りでもあるように わたしは 思います。
このブログは正しく伝えるため 各界からの情報を精査し綴っていますが、それでも 少なからず わたしの思想が入っていることでしょう。人伝えとはそのようなものと思い、あなたは あなたの考えで 悟りを開いてください。
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